1月 13 2013
太陽光発電と契約 ①賃貸物件の場合
今年1月14日付け中日新聞の朝刊によると、賃貸の集合住宅の屋根
に太陽光パネルを載せるケースが増えているとのことです。
再生可能エネルギーの全量の固定価格買取制度を定めた「電気事業
者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が、2
012年7月1日より施工されました。
その結果、太陽光で発電された電気は、発電能力が10キロワット以上
の場合、全量を電力会社に20年間固定価格で買い取ってもらうことが
可能となりました。
当事務所でも、太陽光発電に関する相談を受けることがあります。
アパートなどの集合住宅のオーナーが、既存・新築のアパートの屋根
に太陽光パネルを載せ、とりわけ共用部分の電源に活用しつつ、売電に
より安定収入を図ることが可能となりました。
ただ、太陽光パネルを共同住宅に設置する場合、以下のリスクに注意
が必要です。
① 場所の選定と光量
太陽光による発電は場所の選定が決定的に重要となります。
過去の天候状況の変動や、南側に高層ビルが開発されることによる
太陽光の量の減少といったリスクを十分に検討する必要があります。
② パネルの性能保証
太陽光パネルも機械ですから、経年により劣化し、少しずつ発電能力
が落ちていきます(メーカーによってばらつきはあります)。
また、故障が発生した場合に、メーカーが性能(発電量)をどこまで
保証するのか、という点も検討しておく必要があります。
さらに、最近では、太陽光パネルの施工業者が、パネルの性能につ
いて誇大な広告をしたとして、消費者庁から措置命令という処分を受ける
という事例も発生しています。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/121030premiums_2.pdf
消費者庁のホームページから
③ 不測の事態が生じた場合の保険
地震などの自然現象などによって太陽光パネルが破損したり、使用
不能となった場合に備えて、保険に加入しておくべきでしょう。
④ 「光害」について
太陽光パネルを設置する際は、パネルの反射光による「光害」に注意
しなければなりません。
平成24年4月18日、横浜地方裁判所は、隣接する建物に太陽光
パネルを設置したところ、太陽光パネルの反射光が、隣地の建物に
差し込み、通常の輝度と比較すると最大4000倍を超える輝度となる
ことなどから受忍限度を超えているとして、太陽光パネルの撤去と
慰謝料10万円を認容しました。
これらのリスクについて十分に検討した上で、太陽光パネルを設置
するかどうかを決定すべきでしょう。