2月 03 2013
太陽光発電と契約 ②公共施設の屋根貸し
2013年2月3日付け日経新聞朝刊の社会面に、「太陽光発電パネル
設置 学校屋根貸し出し 愛知県が企業に」という見出しの記事がありま
した。
記事によると、愛知県は2013年度から県立学校などの公共施設の
屋根を太陽光パネルの設置場所として民間企業に貸し出すとのこと。
具体的な賃料や対象はこれから詰めるとのことです。
最近、地方自治体が保有している土地について、メガソーラー事業へ
の活用がよく話題になります。
当ブログの太陽光発電と契約①で書いたように、太陽光発電において
は「場所の選定」が決定的に重要です。
そして、地方自治体が保有している土地などの公有財産については、
一般の土地建物とは異なる、特有の問題があります。
地方自治法上、公有財産はふたつに区分されます。
①行政財産:行政目的のために保有しているもの
②普通財産:①以外のもの
①行政財産である土地・建物は、原則として私権の設定が禁止され
るため通常は「使用許可」によることになります(地方自治法238条の4)。
また、「使用許可」を得たとしても、通常、1年更新であることが多いため
長期間の利用を前提とする太陽光発電事業の実施のためには安定的
とはいえないでしょう。
他方で、②普通財産の土地・建物であれば、私権の設定に制限はあり
ません。
ただ、通常は、各自治体の条例において財産管理規則が定められて
おり、賃貸借の期間を短期に定め、更新を要する場合が多いといえます。
加えて、①行政財産の使用許可、②普通財産の賃貸借いずれも、公用
の必要による許可取消または解除が法律上認められています(地方自治
法238条の4第9項、同238条の5第4項)。
太陽光発電は、長期間での安定的な場所の利用が前提となりますの
で、公有財産においては、特有の問題について十分に検討する必要が
あります。