2月 02 2013
円滑化法終了と再生・倒産 ①事業再生スキーム
平成25年2月2日付け日経新聞の中部経済の欄に「円滑化法終了、
中部への影響は」と題する記事が掲載されていました。
中小企業の資金繰りを支援する目的で施工された中小企業金融円滑
化法は、本年3月末に期限を迎えます。
記事によりますと、本年の企業倒産の件数は、昨年と同程度か微増
程度で落ち着く見込みとのことです。
ただ、当事務所には、昨年から毎月平均5件程度、企業倒産や事業
再生に関する相談を受けております。
早期に相談を受け、事業の再生に至った中小企業もありますが、相談
にくるタイミングが遅く、法的手続きをとったケースもあります。
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その中で特徴的だったのは、経営不振企業であっても、優良部門や
入手困難な優良資産が存在する場合は、事業譲渡による再生型M&A
スキームにより、優良部門を再生するというケースが増えています。
具体的には、以下の通りです。
ステップ① スポンサーによる受け皿企業の準備
ステップ② 経営不振企業が、優良部門を受け皿企業に事業譲渡
ステップ③ 受け皿企業が譲渡代金を支払う。
ステップ④ 経営不振企業は、特別清算または破産処理
これらのスキームを図表にまとめましたのでご参照下さい。
これらのスキームにより、優良部門の消滅や資産の散逸などを防ぎ、
また従業員の雇用を守ることもあります。
もちろん、破産管財人による否認権の要件に十分に注意しながら、事業
譲渡を適切に行います。
その際、もっとも重要なことは、スピード(早期に専門家の相談を受け
ること)と受け皿企業の準備です。
とくに、時期を逸してしまうと、事業価値が下がり、また資産が毀損する
場合があるため、早めに専門家に相談をうけることをおすすめします。